河井孝仁のシティプロモーション日記とか

『遠距離交際と近所づきあい』

最近のブログ投稿ネタにもなっている西口敏宏著『遠距離交際と近所づきあい』を読み終える。

西口は、日本経済新聞「経済教室」に書いていた、スモールワールドを中国温州の事例に適用した内容(2004年)で夙に注目していた研究者。
本書は、初出のものをまとめなおした記述が多く、その意味では既知の内容が多い。

とはいえ、トポロジーという視点は情報基盤を考えるために勉強になる。
また、スモールワールド理論やそれに関連してのリワイヤリングやロバストネス(頑強さ)、クラスターなどの概念を、eコミュニティ・プラットフォーム、地域ブログポータル、地域SNSに、あらためて当てはめ考える機会も得た。

eコミュニティしまだに引き寄せて考えるなら、フラクタル連鎖はセルポータルと共有ポータルの関係にも一定の重なりがあると考える。また今後検討する、自発的な「編集ポータル」の存在によって、さらに「連鎖」が明確になることにも期待している。
(余談ながら、自発的な「編集」ということでは、最近のTopix.comの動きにも注目している)

また、フラクタル連鎖は、私が多様な考察の基礎にしている地域経営システムの模式図にも重なって考えられる。(地域経営というシステムを担うエージェントである行政や企業、非営利集合もまた一枚岩のセクターではなく、内部に関係構造を持つシステムであるということ)
さらに、これらは、半自律的な構造という定義を持つ「モジュール」の思考にもつながっていくだろう。

もともと遠距離交際と近所づきあいという発想自体が、結果的にはeコミュニティしまだの基礎になっている。
ここで脳裏に浮かぶのが、eコミュニティしまだで意識的に取り組んでいる「管理人のぶろぐ」でもある。管理人のぶろぐについても、再度あらためて上記を考慮して取り組んでみようと思う。

一方、地域SNSについていえば「同じ組織の近所づきあいだけのリワイヤリングは・・・リダンシー(重複)が多く、遠くからの冗長性のない情報が伝わらないため、仲間うちのなれ合いに終わる」という記述を重要なものとして意識すべきだろう。

最後に、私がソーシャルキャピタルを検討するに際し、重要な評価要素と考える、「取引コスト」について言及されている部分も参考になったことを附しておく。

  1. 2007/04/06(金) 23:44:28|
  2. 読んで,書籍・・・|
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河井孝仁

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自著(単著・共編著・執筆分担)

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