河井孝仁のシティプロモーション日記とか

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ポートランド

ポートランドでは
都市計画・持続可能性対策局(The Bureau of Planning and Sustainability,City of Portland)の、Ms.Sara Wight
住民参加局(Organization of Neighborhood Involvment, City of Portland(ONI))の、Mr.Paul Leistner
開発局(Portland Development Commission)の、山崎満広氏
にヒアリングを行った。
詳細な調査報告は改めて行うつもりだが、ここでは、その上澄みを。
最近、喧伝されているポートランドだが、もちろん美しき楽園ではない。
街の美しさなどもよく紹介されているが、
歩きタバコは目立つし、街路によってはホームレスになっている人々も少なくない。
また、急激なジェントリフィケーションにより、もともと住んでいた人々には不満も多い。
白人裕福層からは、静かな落ち着いた街としてのポートランドに住んでいたつもりなのに近年の「騒がしさ」は我慢ならんと突き上げがあり、
比較的低所得層からは、開発により家賃が高騰していることへの大きな怒りがある。
都市計画局のSaraは、Comittee of Community Involvement(CCI)で、こうした厳しい意見にさらされ、二度も泣いたことがあると言っていた。
ポートランドはcrisis(危機と岐路の両方の意味で)の状況にあるとも述べていた。
そのうえで、山崎氏との意見交換でも大きな焦点となったのが、Big pictureとPersonal pictureをどう繋ぐのがという問題である。
大きな絵としてのポートランドの物語を、ポートランドに住む、関わる人々それぞれの個人的な絵、小さな物語とをどのように関わらせるのからということ。
そのジョイントを果たすのが、StructureとStory tellingだと語っていた。
Paulから詳しく聞いた、ポートランドの市民参加の仕掛けは画期的だ。Paul自身がもともとは市民アクティビストとして、地域で活動していた。それが徐々に活動を広げ、今は市の職員として、コミュニティと市行政を繋いでいる。
コミュニティに対する教育・相談対応だけではなく、市職員に対する教育・相談対応も行う、市民参加に関わるナレッジセンター、リソースセンターとしての役割を持つ。
こうした組織、そして組織を裏打ちする制度、法規がStructureの一つを構成している。
Story tellingは
大きな物語では、市の進む方向を常に見える化し、それがどのような歴史的経緯や、未来に向けた意義、民主主義的に選ばれた市長の発想に裏打ちされているかを示す。
小さな物語では、個々の人々の想いをないがしろにせず、出来うる限り聞き取り、その物語が、大きな物語とどのような関係にあるかを丁寧に説明する。
私が今まで述べてきていたブランドメッセージとはまさに大きな物語である。
ポートランドではシティプロモーションということを改めて問うことはなかったが、その大きな物語をPersonalな物語とどう繋ぐのかが、シティプロモーションの意味だろうと考える。
山崎さんと、今回通訳を務めてくれた堀川さんと、私の3人でのディスカッションでは、なぜポートランドなのかについて意見交換をした。
もちろん、ポートランドの優れた公共交通機関、環境への配慮の意識、地産地消を可能とするとりくみ、小さな事業を起業しやすい環境、手の届く規模感などなどがある。
それらをまとめるなら、実はポートランドの大気 atmosphere というものが、ある一定の人を惹きつけるのではないか。
そのatmosphereとは、ブランドそのものでもなく、当然、個々の魅力の単なる羅列でもない。
今までの私の議論を基礎に置けば、
ブランドメッセージを確立した上で、そのブランドメッセージに関わっての学び、そのブランドメッセージに基づく社会生活を可能にするStructureとしての支援、そのブランドメッセージに関わりながらの創発を可能にする場の設定により、ブランドメッセージが地域に徐々に埋め込まれていき、それがatmosphereとしての大気を生みだすのではないか。
その時にはもうブランドメッセージは見えなくなっている。
ここまで来ることで、まちは、その大気で呼吸することがしっくりくる、住む人・関わる人にとって掛け替えのないものになるのではないか。
人によって呼吸しやすい大気は異なる、テキサスの大気、ニューヨークの大気、セーラムの大気と、ポートランドの大気は明らかに異なる。テキサスの大気を好む人も、ニューヨークの大気を好む人も、セーラムの大気を好む人もいる。
そのように生み出された大気は、そう簡単には変わらないものなのだろう。
時に、大気を生み出したものを改めて意識するための、ブランドメッセージの提起もあっていい。
しかし、人はブランドメッセージによって暮らすのでも、個々の魅力の羅列によって暮らすのでもなく、まちの大気によって暮らすのだろうと思った。
ポートランドの大気が徐々にその組成を変えているのかもしれない。saraのいうcrisisとは、そのことを指しているようにも思う。
しかし、ポートランド市当局やNPOやソーシャルビジネスの数々が、大きな物語と小さな物語を繋ぐための、確かな努力をしていることも明らかだと考える。
Big pictureとPersonal pictureを繋ぐ仕事の一端を担いうるシティプロモーションを続けていくことは、なかなかに面白いしごとである。
  1. 2016/11/07(月) 23:39:53|
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河井孝仁

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